『伝統的構法のための木造耐震設計法』書籍紹介
石場建てを含む木造建築物の耐震設計・耐震補強マニュアル
伝統的構法木造建築物設計マニュアル編集委員会 著
B5判・352頁・定価 本体6600円+税
ISBN978-4-7615-4094-4
内容紹介
町家・民家・寺社など伝統的構法による木造建築物を設計するには、その優れた変形性能を生かすことが重要だ。本書は、石場建てを含む伝統的構法の構造や設計の考え方などの基礎知識、限界耐力計算を発展させた計算法と設計手順、事例、設計資料を掲載。新築の耐震設計、改修の耐震診断・耐震補強に役立つ実践的マニュアル。
著者紹介
<伝統的構法木造建築物設計マニュアル編集委員会>
鈴木 祥之(立命館大学衣笠総合研究機構・教授)
齋藤 幸雄(京都女子大学・非常勤講師)
長瀬 正 (日本建築総合試験所)
寺門 宏之(京都市都市計画局公共建築部)
向坊 恭介(鳥取大学大学院工学研究科・助教)
佐藤 英佑(立命館大学衣笠総合研究機構・客員研究員)
目次
■本編
1章 本マニュアルの概要
1.1 本マニュアルの目的
1.2 本マニュアルで扱う伝統的構法木造建築物
1.3 本マニュアル作成の背景と経緯
1.4 本マニュアルの構成と概要
1.5 用語・記号・略称
2章 一般事項
2.1 適用範囲
2.2 石場建てを含む伝統的構法木造建築物の設計法の概要
2.3 設計法と構造計画
3章 荷重・外力
3.1 荷重と外力の組み合わせ
3.2 常時荷重
3.3 積雪荷重
3.4 風圧力
3.5 地震力
3.6 荷重・外力に対する安全性の検討方法
4章 伝統的構法の構造要素
4.1 構造要素の種類
4.2 水平抵抗要素の種類
4.3 土塗りの全面壁および小壁
4.4 板張りの全面壁(板壁)
4.5 柱端部の長ほぞ差し仕口接合部
4.6 柱-横架材の仕口接合部
4.7 大径柱の傾斜復元力
5章 地震応答計算
5.1 限界耐力計算に基づく近似応答計算
5.2 耐震設計のクライテリア
5.3 準備計算
5.4 各階の復元力特性の評価
5.5 近似応答計算
5.6 偏心率
5.7 石場建ての柱脚の滑り量
6章 風圧力に対する検討
6.1 風圧力に対する建築物の安全性の検討
6.2 建築物の水平移動の検討
6.3 屋根ふき材の検討
7章 部材の検討
7.1 長期、短期ならびに最大級の荷重・外力に対する安全性の確認
7.2 個別部材の検討
7.3 柱脚の設計
8章 地盤および基礎の検討
8.1 地盤の調査結果と地盤の許容応力度の算定
8.2 軟弱地盤対策
8.3 基礎の設計と注意点
9章 新築建築物の耐震設計の事例
9.1 総2階建て町家住宅の耐震設計例
9.2 下屋付き部分2階建て住宅の耐震設計例
10章 既存建築物の耐震診断・耐震補強設計の事例
10.1 現地での構造調査・耐久性調査の方法
10.2 総2階建て町家住宅の耐震補強設計例
10.3 寺院建築物の耐震補強設計例
11章 チェックリスト
■設計資料編
設計資料-1 材料に関する規定
1.1 木材
1.2 礎石
1.3 その他
設計資料-2 地震応答計算
2.1 2階建て建築物の地震応答計算
2.2 3階建て建築物の地震応答計算
2.3 柱脚の滑りを考慮した近似応答計算
設計資料-3 偏心と水平構面による補正
3.1 偏心率の計算
3.2 偏心を考慮した応答変形の補正
3.3 水平構面の剛性を考慮した応答変形の補正
設計資料-4 各層の設計用復元力
4.1 各層の復元力の評価
4.2 土塗りの全面壁および小壁
4.3 板張りの全面壁(板壁)
4.4 柱端部の長ほぞ差し仕口接合部
4.5 柱-横架材の仕口接合部
4.6 大径柱の傾斜復元力
4.7 はしご型フレーム
4.8 実験・評価方法