現代棟梁の設計術 五意達者への道
木内修 著
発行:株式会社新建築社
本書は、伝統技術の継承が困難な時代に、如何にして本物の伝統建築をつくっていくか、その手立ては何かを求め、四半世紀にわたり伝統木造建築の設計に携わってきた筆者が、従来の伝統技術を工学的見地から検証し、「意匠」「構造」「工法」全般にわたる、新たな設計手法としてその研究成果を紹介したものである。
その構成を見ると、そこには「木割術」「規矩術」「継手・仕口」という伝統技術の精髄が並び、
「新・耐震化架構体」「実大実験」「限界耐力計算」「長寿命化」という現代的課題が現れる。
これらについて、実例を挙げながら詳細な解説がなされている本書は、新しい時代の伝統木造建築設計の教本として、
他に類を見ない充実度である。